
「車の取説には『無交換』って書いてあるけど、本当?」
「10万km超えてから交換すると壊れるって聞いたけど……」
愛車を大切にしている人ほど、この**ATF(ATフルード)/ CVTF(CVTフルード)**の交換時期には悩まされるものです。今回は、整備のプロの視点も交えながら、オイル交換の真実に迫ります。
結論から言うと、**「愛車に10万km、15万kmと長く乗りたいなら、定期交換は必須」**です。
メーカーが「無交換」としているのは、多くの場合「一般的な使用状況で10万km走行するまで」を想定しています。しかし、日本の道路は信号が多く(ストップ&ゴー)、坂道も多いため、オイルには想像以上の負荷がかかっています。
加速のスムーズさ: 燃焼パワーを無駄なくタイヤに伝えます。
変速ショックの軽減: 「ガクン」という不快な衝撃が抑えられます。
燃費の維持: 伝達効率が良くなるため、燃費悪化を防ぎます。
高額修理の回避: ミッション本体が故障すると、修理代は20万〜50万円にも。
ここがこのメンテナンスの最大の注意点です。**「10万km近く一度も交換していない車」**の場合、交換が逆効果になるリスクがあります。
なぜ壊れる可能性があるのか?
長年蓄積された汚れ(スラッジ)が、新しいオイルの強力な洗浄力によって一気に剥がれ落ち、ミッション内部の細い油圧回路を詰まらせてしまうことがあるからです。これが原因で「ギアが入らない」「滑る」といった症状が出るケースがあります。
自分の車が今どのような状態か、以下の基準でチェックしてみましょう。
| 状況 | 判断とアクション |
| 新車〜走行3万km未満 | 絶好のタイミング! 2〜4万kmごとの定期交換を始めましょう。 |
| 3万km〜6万km(無交換) | まだ間に合います。 早めに一度交換しておくのがベストです。 |
| 8万km以上(無交換) | 要注意。 信頼できる専門店で「コンディション診断」を受けましょう。 |
| 既に変速ショックや滑りがある | 交換では直らない可能性大。 修理や乗り換えの検討が必要です。 |
交換には大きく分けて2つの方法があります。
循環希釈(下抜き): 古いオイルを抜いて新しいのを足す方法。安価ですが、汚れが完全に取れにくいのが特徴。
圧送交換(トルコン太郎など): 特殊な機械を使い、オイルを循環させながら汚れをろ過・洗浄する方法。過走行車でもリスクを抑えて交換できるため、プロが推奨する方法です。
AT・CVTオイルは、エンジンオイルほど頻繁に変える必要はありません。しかし、**「不調を感じてからでは遅い」**のがこのメンテナンスの難しいところ。
「最近、加速がもたつくな」「信号待ちから出る時にショックがあるな」と感じたら、まずはミッションオイルを疑ってみてください。